めん長州から学んだ意義はそれほどでもない

めん長州といううどん屋をご存じでしょうか? 私の父である末森巌人が50年近く前に開店した飲食店です。すでに父は他界しており、当初のめん長州は存在しておりませんが長州の名前を引き継いだ方が2名ほど居られ現在も長州の名前で営業されています。

今更ですがめん長州の特徴をあげてみたいと思います。まず、特徴として挙げられるのは、機械で打つめんでありながら手打ち風のうどんの美味しさです。職人の手によって丁寧に打たれた麺のように当時の技術であっても手打ち風に感じさせることが出来たのです。

実際40年以上前から受け継がれてきた製法は、今でも変わることなく守られていると考えています。とは言えあくまでも手打ち風なので食事をされる側から見ればその存在価値は低くなるでしょう。たとえば駅前の立ち食いソバやで食べる天ぷらうどんと価値は同じ。

一方で、めん長州のうどんはシンプルながらも奥深い味わいがあります。その理由は出汁に有ります。開店する前の20年間で広島市内の有名料理店で調理を覚え、その結果たどり着いた出汁です。

その製法は単純です。基本を押さえれば誰でも同じ出汁ができると父は言っていましたが、実際の行程としてじっくりと時間をかけて煮出され、その香り高い風味が麺と相まって絶品の一杯となります。食べるたびに、父の調理師としての20年を感じていました。

さらに、めん長州のうどん屋の雰囲気も魅力の一つだと考えています。店内は温かみのある木の装飾で飾られ、落ち着いた雰囲気が漂っています。カウンター席に座れば、父の職人としての手さばきを間近で見ることができ、うどんが目の前で調理される様子を楽しむことができました。

ラーメンとうどんについて日本の麺文化の共通点

日本の麺文化には、ラーメンとうどんという2つの代表的な麺料理があります。蕎麦という文化もありますが強いこだわりと深い知識を求める人が居られるのでこの場ではうどんとラーメンについて簡単に考えてみました。この二種類の麺料理は、地域や具材、調理方法、さらには歴史などに違いがあるものの、共通点も多くあります。

麺の種類と形状

まず、ラーメンとうどんは異なる麺の種類と形状を持っていますが、共通点もあります。ラーメンの麺は一般的に中太のストレート麺が主流で、縮れや縦縞模様のものもあります。一方、うどんは太くて平たい麺が特徴的で、そのままの形状が多いです。しかし、両方の麺は小麦粉を主成分としており、日本の伝統的な麺作りの技術を活かして作られています。

調理法とスープ

ラーメンとうどんは、調理法とスープにおいて共通点が見られます。両方の麺は湯で茹でることが一般的で、茹で時間によって食感が変わる点も共通しています。また、スープはどちらも特に重要で、独自の味わいを持っています。

ラーメンのスープは豚骨や鶏ガラ、魚介をベースにしたものが一般的で、濃厚でコクのある味わいが特徴です。一方、うどんのスープは昆布と鰹節の出汁をベースにしており、醤油、味噌、塩などの味付けがされることが一般的です。

トッピングのバリエーション

両方の麺料理は、多彩なトッピングが魅力の一つです。ラーメンでは、チャーシューや味付け卵、ネギ、メンマ、海苔などが一般的なトッピングとして挙げられます。また、各地域や店舗によって独自のトッピングが加えられることもあります。

一方、うどんのトッピングは、天かす、かまぼこ、揚げ物、野菜などが一般的で、地域によって異なる風味が楽しめます。どちらもトッピングによって、個性的な味わいや食べごたえが生まれています。

日本の食文化の象徴

ラーメンとうどんは、日本の食文化の象徴とも言える存在です。ラーメンは国内外で広く知られ、多くの外国人観光客にも人気があります。一方、うどんは地域によって異なる伝統があり、親しみやすい味わいで地元の人々に愛されています。

日本人にとっても、ラーメンとうどんは日常的な食事や懐かしい味として深く根付いており、家族や友人との食事の場でもよく選ばれます。

以上のように、ラーメンとうどんは多くの共通点を持っていますが、それぞれの魅力や個性も異なります。日本の麺文化は地域ごとに多様で、豊かな味わいが楽しめる点が特長です。ぜひ、ラーメンとうどんを通じて、日本の美味しい麺料理の世界を存分に楽しんでみてください。

拓夢書房の実現と1980年代と2020年代の書店の変遷

書店は時代の文化や価値観を反映する場所です。ところが近年の書店は姿を大きく変えてきました。そこで、ある人物が夢見ていた書店、拓夢書房を通して、1980年代と2020年代の書店の違いと、本屋好きの未来について考察してみたいと思います。

1980年代の書店(本屋)…1980年代の書店(本屋)は(漫画も含めて)新刊書やベストセラーを中心に多くの読者(特に新しい情報を求めていた若者)に支持されていました。この頃の書店は情報が限られていた時代の知識の宝庫としての役割を果たしていたと言えるでしょう。

人々は新聞や雑誌、深夜放送のラジオ、あるいは家族と一緒に雑談しながら見ていたテレビ、といったメディアで得られる情報を補完するために書店に足を運んでいました。違う意味では趣味や学びのために書店を訪れてもいました。多くの書店主人も、そのニーズに応えるために幅広いジャンルの本を取り揃え、地域の読者の信頼を勝ち取っていました。

2020年代の書店(本屋)…時代が流れ、2020年代に入ると、街中の小さな書店は姿を変えていきました。インターネットの普及と共に情報を得る手段は多様化し、書店だけが情報源であるという時代は終わりました。その結果、拓夢書房という本屋を夢見ていた彼は単なる商品の提供者から体験の提供者へとシフトしようと試みていました。

書店内での読書会の開催やカフェスペースの設置、書店に泊まり込んで深夜に本を読み漁る企画。あるいは著者によるサイン会やトークイベントの開催など、書店を訪れること自体が特別な体験となるような取り組みが行われています。また、個人事業主が経営するような書店は、地域のコミュニティの場としても機能しており、地域住民との絆を深める活動も行っていけると判断しているようです。

本屋好きの将来はどこに行く?…「本屋好き」というのは、単に本を愛するだけでなく書店そのものの空間や雰囲気、体験や出会いを愛する人々の事を指していると私は考えています。1980年代の情報源としての書店から2020年代の体験の場としての書店へと役割は大きく変わってきましたがその中で「本屋好き」の存在は変わらずにいる気がします。むしろ深化(進化ではなく)していると感じます。

今後、技術の進化やライフスタイルの変化と共に書店の形はさらに多様化していくでしょう。しかし、本屋好きの心情は新しい形の書店を求め、支え続ける原動力となることでしょう。彼らの熱意は、書店がただの商品の販売場所ではなく文化や価値を共有する場であることを証明しています。

最後に、夢半ばで消え去った拓夢書房をはじめとして多くの書店がこれからも我々の生活の中で大切な役割を果たし続けることを願っています。そして、その中で本屋好き達が書店の未来を創り続ける存在として活躍してくれることを期待しています。

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